御礼
□例えばA
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例えばよくある物語上の設定とか、ハプニング的な何かは期待しても早々起こるモノでも無い。
そう、起こるモノでも無い、ハズなのだ…。
「何これぇぇぇぇぇ!!!!」
「おろ…」
時は遡る事数分前、家事は終わってやる事も無くなったから一息つこうと居間に向かうべく歩いていると、もう着く、と言うその時に居間から飛び出して来た剣心と派手な衝突をした事から始まった…。
「痛た…っ、もう!剣心てば勢い良く飛び出して来ないでよ」
「すまぬ…、弥彦を庇ったら薫殿が…」
あぁ…、うん。更に怒って暴れだしたのね…。
そこでふと疑問。
私の声ってこんなに低かったっけ?
何やら剣心も声がおかしいらしく咳払いをしている。
「ちょっと大丈夫!?凄い音がしたけど…」
「何やってんだよ剣心〜」
居間から顔を出した薫と弥彦は床に尻餅をついている私達を見て声を掛けた。
弥彦は何故か剣心にブツブツ言いながら私の方に、薫は心配そうに私の方に…。あれ?
私の方に?
「何処も怪我してない?」と言いながら私を引き起こそうとする薫。
それに「忝い」と言いながら頭を掻く私。
そう、客観的に見た私…。
恐る恐る己の体を見下ろせば見覚えのあり過ぎる、袴…。
「な、何これぇぇぇぇぇ!!!!」
という事で冒頭に戻る。
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