時を越えて(完)

□いち
1ページ/13ページ

23XX年 日本
東京ーーーーー



見渡す限り 荒廃した街は コンクリートの残骸が遥か頭上まで積み上がり視界が悪い。

辛うじて残っている建物も 窓が割れ 場所によっては雨風も凌げるが、そういった場所は既に他の奴等が占拠してるのが殆どで
日本全国 何処も似た様なモノで 安息の地などない。

今から約150年程前にあった 巨大な天災と人災により 政府が機能しなくなり 人々は生きる為に 逃げ惑い 奪い合い 殺し合う様になった。


完全に保護されるのは、12迄の子供とその母親のみ。

それは50年程前に出来た条約で
且つて学校と呼ばれる場所であったろう所に 其々が割り振られ 生活をする。

ある一定の特区を除いて その場所だけは完全なる統率が取られテロ等が禁止され 12才までに 人生を生き抜くイロハを叩き込まれ、其れを過ぎれば
社会と呼ぶには余りにも過酷な外の世界へと放り出される。

戦闘術、防御術を基本とし 生活に必要な食糧の探し方に一般教養、料理、裁縫 武器の調達の仕方。

ありとあらゆるモノを学ばせられる。

出来なければ それは生の終わりを意味する。

子供が社会に出て始めて犠牲にするのは 殆どの者が親だ。

奇襲や賊から守る為に 子供を逃がし 親が犠牲となる。

強ければ生き
弱ければ死ぬ

人生が終わるまでの 完全なるバトルロワイアル。

そして人間以外にも敵はいる。

天災から引き起こされた、発展した化学による人災。

化学物質の漏洩により動植物への影響は想像を超え、昔の人から見ればSFの世界だ。

動物や植物も高い知能や形態を変える個体が現れ、人は人知を超えた能力を身に付けた。

身体能力だったり知能だったりと異なるが・・・





一つ 違うとすれば、

救世主なんていない事。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ