短編〜中編
□まさかの
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志々雄との死闘から帰って来て、道場の修理や掃除をした次の日…。
剣心の部屋の前を通った時に、中から聞こえた声に顔から火を噴いた。
「 りの、もうちょっと…こう」
「えぇ…、こう?それともこう?」
「あぁ、今のが気持ち良かったでござる…」
ちょ…、ちょっとちょっとちょっと!!真昼間っから何してんのよ!
弥彦もいるし、聞こえたらどうするつもりなの!?
そ、そりゃあ恋人同士だし?そういう事もスルのかもしれないけどっ!!
オロオロしながら剣心の部屋の前からとりあえずの移動をすると、丁度そこに左之助が…。
「左之助ッ!!助けて!」
「お、おお?なんでェ…嬢ちゃん。そんなに慌てて…」
「け、剣心と りのちゃんがっ!!」
「は?」
かくかくしかじか、さっきの事を伝えれば、興奮した左之助がニヤニヤしながら剣心の部屋の前に行ってしまった。
仕方なく後を追ったけど…。
「(ちょっと左之助!盗み聞きなんて良くないわよ!)」
「(いやいや、俺は様子を見て止めてやろうと…)」
「(明らか顔がニヤついてんのよ!)」
「(い"っ!殴んなよ!っつか静かにしろ!)」
コソコソと剣心の部屋の前で話していると中からはやっぱりさっきと同じ様な会話が聞こえて来て恥ずかしさに顔が真っ赤になった。