短編〜中編
□隠し事
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ヒラリ、ヒラリと舞い落ちる。
視線で追えば、畳の上に。
「け、剣心ーーーーーッ!!!!」
「おろっ!?」
その日神谷道場に、季節外れの雷が落ちた。
事の始まりは京都から操が遊びに来ると手紙が届いてから。
蒼紫と共に来るとあって、客用布団を干したり使っていない部屋を掃除したりと薫や弥彦と手分けしていた所、弥彦が敷き布が一枚足りないと薫と私のところに来た。
「確か、剣心に貸してる部屋の押入れに予備があったような…。 りの、ここの掃除は私がしちゃうから見てきてくれないかしら?」
「うん、いいよ。弥彦、ちょっと待っててね」
「オウ!頼むぜ」
掃除していた部屋を出て、剣心の部屋に向かう。
剣心は今薫に頼まれて買い出しに行ってるからいない、けど家捜しする訳じゃないし…。ちょっと押入れを開けるだけだからいいか、と軽い気持ちだった。
目的の剣心の部屋に入って押入れを開けると下の段には布団類、上の段には花瓶とか小物が色々入っていて。
「敷き布だし布団とかと一緒かな?」
聞いてから来れば良かったと思いながら手始めに下の段から探し始めた。
「んー、無いなぁ…。上は小物ばっかりだけど、あるかなぁ」
もしかしたら箱とかに入ってるのかも、と思いながら今度は上の段を探し出す。
パッと見ては置いていないので、近くにある箱を次々と開けていた時…。