短編〜中編
□洗濯
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「真っ白!」
麗らかな陽射しの降り注ぐ神谷道場縁側。
昨夜眠るのが遅かったせいか、それとも遅くなる原因が疲れる事だったからか。
その暖かな陽射しもあいまって りのは起きて数刻も経っていないと言うのに、うつらうつらと舟を漕いでいた。
その先の庭では遅くさせた張本人が洗濯に精を出している。
頑張って睨み付けてみても、今の自分では威力もへったくれもない。
それを自覚した りのは早々に睨むのを止めてその場に横になると澄んだ水色の空を眺めながら何時の間にか深い眠りに入った。
薫と弥彦は出稽古に行ったばかりで今日は左之助も来ていない。
静かさも何時にも増している。
洗濯をしていた剣心は、その手を止めて振り返ると案の定、先程までは頑張って起きていた恋人が、今ではその場で横になっていた。
その姿に小さく笑みを漏らして、鼻歌交じりに洗濯に戻ると己の横に積み重なっている次の布を掴んだ。
「おろ…」
薄っすらと頬を染めた剣心が広げたそれは、 りのの腰巻…。
「おろろ…」
しかも微妙なトコロにシミが出来ている。確実に己が弄くり倒して零れた蜜の跡で…。