物語りの終は

□八幕
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ドゴッ


「ひいいいい……」

ドスを持った男を殴り飛ばすと辺りには既に六人、七人と倒れた男しかいない。

そんな中辛うじてボロボロになりながらも意識のある男が負けを認めた。

「わかった、俺たちの負けだよ。あんた強え、もう勘弁してくれ」

「言われねえでも、もうやめだ」

「!?」

「弱すぎるんだよ!てめーら。これ以上は弱い者イジメになっちまうだろ」

ちっ、と舌打ちしたのはその場にいる男達を伸した青年。

「ったく、つまらねえ喧嘩買っちまったぜ。どっかにいい猛者はいねえのかよ」








「おろ?」

同時刻、神谷道場では剣心が逆刃刀で薪割り、弥彦がその横で稽古をしていた。

そこへ現れたのは薫。
その後ろでりのが苦笑いしている。
手に持った巻物を解きWどん!Wと二人に見せた。

「だからぁ、当面の生活費の心配はないのよ。これでりの姉の負担も減るわ!押し入れ整理してたら出てきたの!お祖父ちゃんが描いたーーーー」

「おお!落書き」

「水墨画!!」

態となのか、なんなのか…。剣心の言葉に薫が怒鳴りつける。

「ウチのお祖父ちゃん剣術家であると同時にちょっとした水墨画家だったの、これを売ればお金になるわ。ああ、ありがとう、お祖父ちゃん」

「でもそれ形見でしょう?私なら大丈夫だから…」

「いーのいーの!りの姉は気にしないで!」

うっとりと巻物、基、掛軸に頬擦りする薫に弥彦は呆れ顔だ。

「現金な女だ」

「と、言う訳でお昼は牛鍋屋でパーッとやりましょう」

ウキウキする薫に苦笑いした剣心に羽交い締めにして押さえられる弥彦。
その頭にはたんこぶが二つ出来ている。

「人が下手に出る出てりゃいー気になりやがって!」

「あれは下手とは言わないんじゃ…」

りのも苦笑いで竹刀を振り回す弥彦を見ていた。



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