短編〜中編

□まさかの
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「もう少し強く…」

「こ、こう…?痛くない?」

「気持ちいいでござるよ…。 りのは飲み込みが早いでござるな」

「本当?嬉しい…。もっと気持ち良くしてあげるね…」

「ふふ、嬉しい事を言ってくれる…」

「だって、いつも剣心にはして貰ってばかりだから…。ねぇ、ここは?」

「んん、そこも気持ちいいでござる。 りのにもしてあげよう…」

「私はいいよ…」

「遠慮する事は無いでござる」

「じゃあ、後でね…」





「「……………」」

「(オイオイ、ナニしてんだよ)」

「(知らないわよ!てゆうか止めるんでしょ!?)」

「(ばっ!んな気まずい事できッかよ!)」


「(なんだかなぁ…) りの、こっち…」

「どうしたの?剣心…」

「(いや…)イキそうでござる〜(くらい言った方がいいでござるか?)」

「はあ?意味わかんな…」

ーーーガタガタッ!

「え、何?」

外の騒音に何事かと障子を開けた りのは縁側から落ちた左之助と薫に首を傾げた。

「何してんの?」

「えぇ!?いや、何も!!」

「つーかお前ェ達こそナニしてんでェ!」

顔を真っ赤にして動揺する薫と視線を泳がせる左之助を見て、 りのは更に首を傾げた。

「やれやれ…、やはり左之達でござったか」

「「剣心!」」

「やはりって…お前ェ知ってて…」

「当たり前でござろう。何やら勘違いをしている様だからからかったんだ」

りのの背後からニュッと顔を出した剣心の言葉に左之助と薫は呆気に取られた。

「え…じゃあ…」

「昨日道場を修理してからちと腰が痛かった故、 りのに揉んで貰ってたでござる」

「もう少ししようか?」

「もう大丈夫でござるよ」

「「ま、紛らわしい!!」」

ゴンッ!と二人に殴られて目を回した剣心は りのに支えられながらもボソリと呟いた。

「おろ……勝手に勘違いしたのは左之と薫殿でござるのに……」



左之助と薫はまさかの勘違いに りのに対して暫く気まずい思いをした…。








end
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