SS集

□ordinary
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うずたかく積まれた書類を整理して
その横に日誌を置き、
彼に珈琲を淹れ、渡す。

「あんまり無理しちゃ駄目だよ?」


彼は何も答えない。
聞こえてないのかもしれないし、
無視されているのかもしれない。

これも毎度のことなので
わたしは気にすることも無く
部屋をあとにしようと、
応接室の扉へと向かう。

「いつもより外、暗いからね。」

送ってくから待ってなよ。
そう言って彼はするり、と手を離す。

この会話もまた、日常で。
変わらぬ彼の優しさに、
わたしは顔を緩ませた。



ordinary 日常
-彼が素直じゃないのにも、慣れている-



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