SS集

□daydream
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[issueさまからお借りしています。]


そんな彼女が、眩しかった。


『造花でも飾っておけばいいだろう』

絵を描くとき、
決してこちらを向かない彼女。
悔しくて、そう言ったことがある。

『花を描いてる訳じゃないの』
『じゃあ、何を?』
『今、綺麗だとおもった心』


気持ちを、描いてるの。
だから、造りものだと駄目なのだと、
そう、俺に言っていた。


「ゼロ様、どうか致しましたか?」
「この絵に描かれている花は、」
「薄雪草、エーデルワイスですね。」


花言葉は、大切な思い出。
彼女が好んで描いていた花だ。

目の前の彼女は、もう絵を描かない。
虚ろな瞳で、俺に従うだけ。


――そうさせたのは、俺だ。



daydream 白昼夢
-遠のいてゆく、過去のきみ-




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