SS集
□valentine
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「野球部に差し入れ。」
「待ってましたーッ!」
全員分を作るのは無理があったので
手作りはレギュラーだけだけれど、
彼らは大袈裟なほど喜んでくれた。
練習後のためお腹が減っていたのか、
皆は包みを開き、食べ始めた。
「オレンジの味がする。」
「そんな味しねぇけど?」
「……わり、気のせいかも。」
ぽつりと呟いた彼の声を聞き、
チームメイトは首を傾げる。
山本はしばし考えたあと、
そう言うとわたしを見つめて笑った。
『サンキュ、マネージャー』
口ぱくで伝えてきた彼に、顔を赤らめた。
あなたがすきです。物言わぬ告白