CROSS-2

□VS.CP9-2
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その頃のナミは、カリファの部屋にいた。
泡が一面に広がる床に倒れ、のんびりと浴槽に浸かるカリファに、ナミは起き上がろうにも、身体に力が入らないのだ。
もう戦いは始まっている、と言うカリファは浴槽から立ち上がると、何をしたのと怒鳴るナミの声を聞き流す。
そんな不思議を解くのも、能力者との戦いの醍醐味じゃなくてと、小さく笑って言い返す。
と、ナミが抜けていた力が少しずつ戻ってきたことに気付き、完成版"天候棒"を構える。
立ち上がったナミが、タクトの先に電撃を溜めるとそれを振り回してカリファに攻撃を仕掛けるが、当然カリファは「剃」で避ける。
その避けた先は、さっきまでナミが倒れていた場所。
天井付近には、黒く重い雲が垂れ込めている。

「黙って倒されてるわけないでしょ、"サンダーボルト=テンポ"!!」

ドカアァァンと雷が落ちる。
雷鳴が轟く中、ナミは少なからずダメージを与えたはずだと、微かに笑みを浮かべた。
だが、煙が晴れた中には、謎の物体が。
それは泡となり消え、中から無傷のカリファが現れる。
それを見ていたナミは、石鹸が泡になると言う連想から、カリファが"アワアワの実"の石鹸人間とか言うノリかしら、と呟いた。
その途端、さっきまで強気だったカリファがたじたじとなったのを見て、ナミは思わず悪いことをした気になってしまった。
図星を突かれたカリファだったが、開き直って石鹸人間だと宣言する。
戦いには不向きじゃないのか、と言うナミの疑問に、カリファは自分の身体から出た泡は自在に操ることが出来る、と言ってバスタブに浮いていた泡を自分の身体に纏う。
その姿は、まるで巨大な羊。
見ていたナミは思わず、あんたバカじゃない?と一言。
だけどカリファは動じることなく、身体に纏っていた泡をナミに向けて飛ばす。

「さっき部屋の入り口で、力を失っていたのはなぜ?」

その言葉に、ナミはようやく気が付く。
ナミが部屋に踏み込んだ時、床が泡だらけだったことと、その意味を。
まずいっ、と迫る泡から逃れようとしたナミだったが、反応が遅かった。
肩に泡が付き、身体から力が抜けていく。
倒れたナミを、カリファは容赦なく蹴り飛ばす。

「私の体から出る泡は、あらゆる物をそぎ落とす泡。汚れくすみは勿論…力も…他にもね。そして、忘れて欲しくない事は、私が暗躍機関の"殺し屋"だという事」



 
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