CROSS-2

□VS.CP9-2
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一方のチョッパーは、クマドリ相手に苦戦を強いられていた。
クマドリの、毛の先まで意識を届かせるバイオフィードバックという能力に加えて、六式を使いこなされてはチョッパーはついていくのが精一杯。
チョッパーの攻撃も「鉄塊」で防がれてしまう。
普通の攻撃で無理なら、ランブルボールで強化して戦うしかないが、ランブルボールは劇薬。
6時間にひとつが適量である上に、2個目では変形の波長がズレてうまく制御できなくなるのだ。
更に、3個目では意識を失い、戦闘なんてできなくなる。
もうひとつだけなら強化は可能だ、と迷った末に、チョッパーはランブルボールを口にする。
だが、やはり変形の波長がズレて思い通りにコントロールできず、チョッパーは必死にクマドリの攻撃に耐える。
立て続けに襲い来る攻撃に耐えていても、限界は近い。
と、いつの間にか"腕力強化"になっていて、チョッパーはこの一撃に賭けた。
真正面からの攻撃に踏みとどまり、「鉄塊」で防ごうとしたクマドリに技を決める。

「"桜吹雪"!!!」

今のチョッパーが持てる最高の攻撃に、クマドリは膝をつきながらも倒れなかった。
むしろ、我を失ったかのように暴れだしたクマドリに、チョッパーはなす術なく倒れる。
殺される、と薄れそうな意識の中で思った時に、ロビンとクロスの涙を思い出したチョッパーは、髪縛りから小さくなることで抜け出すのと同時に3個目のランブルボールを口にする。
かつて、一度だけ実験したことのあるランブルボールを3個使った時、チョッパーは意識を失い暴走してしまった。
Dr.くれはの見解では、悪魔の実の暴走だろうとのことで、二度とその領域に足を踏み入れるなと警告もしていた。
それでもチョッパーは、ロビンとクロスを助けたい一心で、禁忌を犯した。
敵も味方も、己の体も滅ぼしてしまう過剰な力。
それに頼るしか、クロス達を助けられないと思ってだった。
まるで"怪物"のような姿になってでも、チョッパーは仲間を助けたかった。



 
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