CROSS-2

□Designer's wish
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それが本物の設計図だと判ったスパンダムは、欲望に満ちた声でよこせと怒鳴る。
だが、逆にフランキーは静かな声でロビンに話しかける。

「お前が世間の噂通り、兵器を悪用しようとする「悪魔」じゃねェとわかった……何もウォーターセブンの船大工が代々受け継いできたものは、"兵器の造り方"なんかじゃねェんだ!!」

フランキーの声が大きくなる。
ロビンもクロスも黙って聞いていると言うのに、スパンダムは設計図をよこせと騒ぐ。

「トムさんやアイスバーグが命懸けで守ってきたものは、もし……!!古代兵器がお前みてェなバカの手に渡り暴れ出した時…もう一つ兵器を生み出し、その独走を阻止してくれという"設計者の願い"だ!!」

フランキーの声が響き渡る。
ロビンを利用できれば、兵器を呼び起こせる危険な女だ。
だが、ロビンにはその身を守ってくれる仲間がいる、と。
だからおれは"賭け"をする、とフランキーは言う。

「おれが今、この状況で"設計者"の想いをくんでやれる方法があるとすりゃあ、一つだ」

「ぐだぐだ言ってねェで、早く渡せ!!それはおれのもんだ!!」

怒鳴りながら迫るスパンダムの目の前で、フランキーは口から炎を吹いて設計図を燃やす。
あっという間に灰になり、パラパラと舞い落ちた設計図のなれの果てを前に、スパンダムが発狂したように叫ぶ。
そんなスパンダムに言い聞かせるように、フランキーが言う。
"抵抗勢力"を造る為に残された設計図が、政府に狙われた。
本来、こんなもんは人知れずある物で、明るみに出た時点で消さなきゃならねェんだ、と。

「――だが、これで"兵器"に対抗する力は失くなった!!ニコ・ロビンがこのままお前らの手に落ちれば"絶望"だ!!そして麦わら達が勝てば!!お前らに残されるもんは、何一つねェって事だ!!おれはあいつらの勝利に賭けた!!」

そう啖呵を切るフランキーに、裁判所のあちこちから声が飛んでくる。
それは、跳ね橋を下ろすために奮闘していたフランキー一家達で。
その姿を見て、助けに来たと言う声を聞いて、フランキーが涙を流す。


 
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