CROSS-2

□I want to live.
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だがスパンダムは、薄ら笑いを浮かべたまま平然と言う。
海賊達がこの島から出られる確率が"0"になるんだと、バスターコールの本当の恐ろしさを知らないで、何か思い出すことがあるのかと笑いながら電伝虫の スイッチを押すフリをする。

「そんな簡単な事じゃ済まないわ!!やめなさいっ!!」

「…………んん?生意気な口を利くじゃねェかァ……!!」

「地図から"オハラ"が消えたって言ったわね……!!地図の上から人間が確認できる?あなた達が、世界をそんな目で見てるからあんな非道な事ができるのよ…………!!」

そう叫んだロビンが、ガク…と膝をつく。
バスターコールは、目的さえ見失う無情の力、それだけは使ってはいけない。
その事実を、身をもって知っているロビンの魂の叫びだった。
思い出すのは、考古学者に認められた幼いあの日のことと、そしてあの悪夢。
大切だった人達を失い、生き別れていた母と再会しそして失ったあの日、全てを奪い去ったあの悪夢のような業火。
その全てを思い出しているロビンに代わり、クロスが重い口を開く。

「今ここで「バスターコール」をかければ、このエニエス・ロビーと一緒にてめぇらも消し飛ぶぞ……!!」

「何をバカな!!味方の攻撃で消されてたまるかっ!!何言ってんだ、てめェはァ!!」

クロスの言葉にいきり立つスパンダムを無視して、ロビンがゆっくりと言葉を紡ぐ。

「20年前…………私から全てを奪い、大勢の人達の人生を狂わせた………たった一度の攻撃が「バスターコール」……!!」

立ち上がったロビンは、クロスを一度見つめて、そして裁判所の屋上の麦わらの一味を見つめる。

「その攻撃が……やっと出会えた気を許せる仲間達に向けられた。私があなた達と一緒にいたいと望めば望む程、私の運命があなた達に牙をむく!!私には海をどこまで進んでも、振りはらえない巨大な敵がいる!!私の敵は………"世界"とその"闇"だから!!」

ロビンの叫びを、麦わらの一味は黙って真摯に聞いていた。
クロスは、同じ想いを抱いているロビンの叫びに、黙って麦わらの一味を見つめていた。


 
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