CROSS-2
□Gear 2
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その頃のルフィは、ブルーノと完全に対等に渡り合っていた。
「剃」や「月歩」など"六式"を使いこなす、ブルーノの変則的で速い攻撃に、ルフィはひけを取らない速さでかわし攻撃を返す。
ルフィが押す殴り合いの中、一瞬の隙をついてブルーノが繰り出した「嵐脚」を、ルフィは斬撃が飛ぶより一瞬早くブルーノの足を蹴り、「嵐脚」の軌道を変える。
そして、一度ルフィと距離を置いたブルーノに、にっとルフィは笑みを浮かべる。
「ダメだ」
「!?」
「…………おれはこんなんじゃダメだ…………"青キジ"に敗けた時、おれは思ったんだ……この先の海に、またこんなに強ェ奴が現れるんなら、おれはもっと強くならなくちゃ仲間を守れねェ……おれには、強くなんかなくたって一緒にいて欲しい仲間がいるから……!!おれが誰よりも強くならなきゃ、そいつらをみんな失っちまう!!」
「では……どうする」
両足を開き、ぐっと腰を落としたルフィは膝頭に手を置く。
「力いっぱい戦う方法を考えた……誰も失わねェ様に……!!誰も遠くへ行かねェ様に……」
膝頭に置いた手に力を込め、ぐぐっと地面へと足を押す。
ゴムの身体はポンプのように、ルフィの身体を巡る血流を高める。
途端に、ルフィの身体から蒸気が立ち上ぼる。
ブルーノが、いったい何が起きているのか理解する暇を与えずに、ルフィが言う。
「お前はもう……おれについて来れねェぞ……」
「何!?」
「おれの技はみんな……一段階進化する「ギア2」」
その気迫は、ブルーノを躊躇わせるには充分だった。