CROSS-2

□Rescue failure
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「仲間の犠牲の上に生かされてあいつらが喜ぶとでも思ってんのか!?お前らが一味を抜けた理由を知ったあいつらは地獄の底でも追いかけて、お前らの敵をぶちのめすぞ!!お前らはまだ、ルフィって男をわかってねェんだ!!」

「……!!わかっていないのはあなた達の方よ!!私は助けて欲しいなんて欠片も思ってない!!勝手なマネしないで!!」

声を荒らげ、怒鳴り合うロビンと長っ鼻を見遣り、思わず溜め息を吐き出す。
長っ鼻の言いたいことは判らなくもないが、だからといって俺もロビンも助けて欲しいなんて思っていない。
そもそも、ルフィ達の誰も巻き込みたくはなかったんだ、俺達の"闇"に。
そんなことを考えていたら、怒鳴り合う声を不審に思ったらしい役人がドアを叩く音がして、慌てて長っ鼻が隠れる。
隠れたのはいいが、ロビンと二人羽織りみたいな隠れ方はとうだろう、と無表情を装って思った。
怪しまれてる、と思いながら、役人の動きに気を付ける。
ここでバレたら、長っ鼻も終わりだ。




結局、怪しいと疑いながらも、背を向けた役人を長っ鼻が一人頑張って倒し、もう一度早く逃げるぞと急かす。
気のせいでなければ、隣の車両も少し騒がしい。

「……私がやるわ」

「……………あぁ」

覚悟を決めたように、ロビンが立ち上がってマントを脱ぐ。
俺も同じようにマントを脱ぎ、ロビンのやることを見守る。
立ち上がったロビンは、長っ鼻を無視してドアへ歩み寄る。

「おいおい待てロビン、そっちへ行ったら!!」

開け放ったドアの向こうから、サンジの声が聞こえる。
一緒に帰ろうだなんて、喜んでいるサンジの声を聞きながら俺は座席から立ち上がり、ロビンの後ろに立つ。
サンジの言葉に、ロビンは無言で咲かせた腕で長っ鼻を投げ付ける。

「口で言っても、わからないでしょ……?」

「ハッハッハッ……」

ロブ・ルッチの嘲るような笑い声が耳に届き、俺は小さく舌打ちをひとつ。
連中の言いなりになるなんざ、屈辱以外の何物でもないな、とロビンの後ろ姿を眺めて思う。
それでも、これが俺達の選んだ道なのだと言い聞かせる。

「フランキー君!!第3車両を切り離したまえ!!」

長っ鼻が突然そう言い出し、いつものパチンコで煙幕を放つ。
CP9の慌てる声が聞こえた、と思った時には、俺は誰かに腕を引かれて走り出していた。

「ニコ・ロビンとクロスは頂いたァ!!」

煙の中で長っ鼻がそう叫んだ。


 
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