CROSS-2

□Unprecedented
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クロス達が司法の塔に捕らわれた頃、ルフィは裁判所の屋上でブルーノと対峙していた。
他の仲間達より先に、本島に殴り込んだルフィが裁判所の屋上に上がったところで、司法の塔からブルーノが現れたのだ。

「「世界政府」始まって以来、前代未聞だぞ……"政府の玄関"にここまで踏み込んで来た男は……!!いつまで暴れる気だ」

「死ぬまで!!」

ブルーノの言葉に、ルフィは笑みさえ浮かべて答える。
ロビンとクロスは、あの向こうの建物にいるんだなと確かめ、ルフィは戦闘体勢に入る。
腰を落とし、いつでも動けるように構えてからブルーノにどけと言うと、ブルーノは何処か呆れたように言葉を返す。

「お前達は―――まだ気がついていない様だな……―――これが"全世界的規模"の「大犯罪」だという事に」

ブルーノの言葉に、ルフィは何のことか意味が判らなかった。
そんなルフィに、ブルーノは説明する。
全世界の海より、加盟国170以上の勢力を誇る「世界政府」という巨大組織が所有するこの島に海賊が攻め入るという事は、その全ての国々に反旗を翻す事を意味する、と。
そして「政府」はその威厳にかけて、ルフィ達を一人残らず世の晒し者にして残酷な死を与えるだろう、とブルーノは言う。
それを聞いても、ルフィは退く気にはならない。
ブルーノが、このエニエス・ロビーの門をくぐったお前らに未来はない、と言ってもだ。

「戦いも無駄。我々の体技"六式"ならば、ガレーラの屋敷で充分に見せた筈だ。貴様らとの戦闘力の差もな……」

「そうだな……でも、何でか今は………さっぱり負ける気がしねェ!!」

そう言うのと同時に走り出し間合いを詰め、右腕を捻りながら後ろに伸ばした反動で、勢いを増して返ってくる拳をブルーノの腹に叩き込む。
ブルーノも「鉄塊」で防いだつもりだが、ガレーラの屋敷よりも数段上のパワーに、鉄塊が崩れる。
ルフィは続け様に、"銃乱打"を放つがブルーノは「剃」を使って避けたはずが、ルフィはその速度について来た。
攻撃をかわそうとしたブルーノとの間合いを一瞬で詰め、その襟首を掴み、屋上にある石造りのオブジェのようなものに頭から叩きつける。
ガラガラと崩れる音が響く中、ルフィは一度麦わら帽子を被り直して、はっきりと言い切る。

「世界がどうとか、政府が何だとか!!そんなもん勝手にやってろ、おれ達はロビンとクロスを奪い返しに来ただけだ!!」

真っ直ぐなその言葉に、ブルーノは軽く眉を寄せる。
未だかつて、連行された罪人を奪い返しに来たその仲間など、誰一人いなかった。
それなのにルフィ達は、迷いもなく迎えに来た。
野放しにしておいては危険だ、とブルーノは判断する。



 
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