CROSS-2

□Pursuit
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水路を飛び出したロケットマンに続き、フランキー一家がキングブルに引かせた船で飛び出してくる。
どうやって車両に掴まるつもりなのかと思えば、連結砲をぶっ放して、車両とほぼ無理矢理な方法で繋がる。
無茶するな、と思わずゾロが窓から身を乗り出して突っ込んだ程だが、フランキー一家は悪びれた風もない。
機関室では、ココロが波に流されている線路を見つけ、緊急連絡を入れる。

「これから線路をつかむと、急激に速度が上がるよ!!軽傷で済むように、しっかりしがみついてな!!」

とりあえずケガはするんだ、とナミがぼやく。
とんでもない話ではあるが、暴走海列車だと言うなら無理もないのかもしれない、と思わなくもない。
雨に濡れるのに構わず、特等席だと言わんばかりに機関車の屋根に乗っているルフィと、何故かココロの孫のチムニー。
驚くココロが慌てて中へ入るように促すが、パドルが線路をつかむ方が早い。
ガクン、と揺れたと思った直後には、超速度で走り出す。
とても車外には居られない、と外に居たルフィ達がロケットマンの客車に乗り込む。
突然の加速に、あちこちに身体をぶつけた者も居るぐらいの事態を、ココロは呑気に笑い飛ばす。
ふっ飛ぶかと思った、とぼやくルフィに構わず、ゾロが静かに疑問を口にする。

「…………ちょっと待て、この車両におかしな奴らがいるぞ」

「おい、そりゃ誰だ」

「お前らだよ!!」

「おめェもだろ!!」

車両には、フランキー一家のザンバイとモズとキウイ、ココロと孫のチムニー。
ルフィとゾロに、チョッパーとナミの麦わらの一味の他に、男が3人。
ガレーラカンパニーの船大工、ルルとタイルストン、そしてパウリー。
明らかにおかしな乗員は、その船大工達だ。
何故乗っているのか、理由は単純だった。
要はアイスバーグの敵討ち。
もちろん、あくまでもガレーラとは関係のない単独行動だと言うが、パウリーには別の思惑も混ざっていた。
それを今は口にはせずに、敵を知るパウリーにはっきりと言えと迫るルル達に、上手い言葉を探す。
アイスバーグを襲った犯人、それは事が起こる寸前まで仲間だと信じていた奴らだった、なんて言いにくい。
だが、アイスバーグを襲った犯人はつまりフランキーを連行した奴らである、とフランキー一家がその名を言おうとするのをパウリーは遮る。
誰よりも一番辛いのは、アイスバーグなんだと。
言い淀むパウリーに、ルルが大方の見当はついていると呟くように言えば、パウリーも意を決したように犯人の名を紡ぐ。
船大工仲間だったルッチとカクに、アイスバーグの秘書だったカリファ、そして酒場のブルーノ。
その名を聞いて、想像だにしていなかったらしいルルとタイルストンが驚愕する。
挙げ句、犯人は裏町のマイケルとホイケルだと思っていたと、パウリーも驚く答えが返ってくる始末だ。



 
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