CROSS

□Love Song
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蔓が倒れかかるのに合わせて、その地盤を砕こうとしてか、雷が集中的に落ちる。
この蔓が地盤を失えば、もう二度とエネルの高さまで登ることはできない。
島雲が消え、下層の遺跡がむき出しになる。
立て続けに落とされる雷に、遺跡が崩れていく。

「ムダだ……エネル……お前には落とせやしない。ハァ………ハァ……シャンドラの地に生きた、誇り高い………戦士達の歴史を……!!」

雷が落ち、遺跡が崩れる。
そんな轟音が辺りを包む中、クロスの耳には、ワイパーの叫びが聞こえていた。

「どこにあろうと力強く!!生み出し…………育む!!この雄大な"力"を!!お前には落とせやしない!!お前がどれだけの森を燃やそうと!!どれだけの遺跡を破壊しようと!!」

アイサが、ワイパーに逃げてと叫ぶ声は轟音にかき消され、それでもワイパーの声だけはクロスによく聞こえていて。

「大地は敗けない!!!」

そんなワイパーの叫びに、雷の集中砲火が治まる。
それでも、アッパーヤードはビクともせずに、変わらずにそこにある。
ゆっくりと倒れていく蔓を、クロスは黙って見上げた。
微かに見える、ルフィの右手にある黄金がかなりの速度で蔓を伝い、そして空へ飛び出す。
エネルの舟にルフィが迫る、その目の前で、巨大な雷雲の塊が落ち始める。
蔓が倒れた直後、雷雲の塊が突然バリバリと放電し始める。
異常なまでの幕放電に、クロスは雷雲の塊の中にルフィが飛び込んだことに気付く。
雷を伝導する黄金を右手に、あの中でルフィが暴れているとすれば、雷雲の塊が落ちる前に放電し尽くしてしまう可能性も有り得る。
徐々に落ちてくる雷雲の塊、放電は激しさを増し、そしてついに。

「晴れろ〜〜〜!!!!!」

まるで弾けるように、雷雲の塊が霧散する。
雷雲の晴れた空の真ん中に、ルフィがいた。
ウソップが歓声を上げる。

「鳴らせェ麦わらァ!!!"シャンドラの灯"を!!!」

「聞かせてくれ小僧……!!!"島の歌声"を!!!」

ワイパーと空の騎士の叫びが、空に響き渡る。



 
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