CROSS

□GoldBell2
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ロビンから鐘の在処を聞いたワイパーは、傷ついた身体でエネルを追いかけようとして、アイサに止められていた。
そこまで鐘を切望するワイパーを、クロスは黙って見つめているだけで。
時折、蔓の先端を見つめ、悔しげな表情を浮かべていた。

「蔓から離れろ!!何か落ちて来る!!」

ウソップの声に上を見上げたクロスは、数歩下がるだけで、落ちてきた蔓の先端をかわす。
他の連中も、それぞれにギリギリのところで落ちてきた蔓の先端を避け、上を見上げる。
上で一体何があったのか、ここからでは判りようもない。
ウソップは、蔓の先端と一緒にルフィの死体が落ちてきてやしないかと、おろおろしながら辺りを見回す。
ワイパーは、蔓が落ちてきた衝撃にすら耐えられず、倒れ込んでいる。
アイサが、そんな体じゃエネルを追うなんて無理だと、必死になって言い聞かせる。
それでも、ワイパーは諦めようとしない。

「………………この真上にあるんだ……大戦士カルガラの、切望の鐘が……」

呻くように、ワイパーが呟く。
その意気は認めるが、もう動ける身体じゃないだろうとクロスは思う。
そんな中、不意に雷雲が形を変えていく。
エンジェル島の真上に、真っ黒い雷雲が球状になる。

「まさか………消すつもりか?エンジェル島そのものを……」

ナミのような航海士ではないにしろ、長く一人でグランドラインを旅していたクロスだからこそ、アレがヤバいものだと気付けた。
徐々に落ちていくそれは、エンジェル島を押し潰す。

「"雷迎"!!!!」

エンジェル島が押し潰された、そう見えた次の瞬間、まるで雷が爆発するかの如く雷鳴と雷光がほとばしる。
雷光と雷鳴がおさまった後、跡には何も残っていなかった。
海雲ごと、エンジェル島は消滅してしまった。

「…………何という……!!何という……!!非道を……!!……エネル!!」

空の騎士が、その残虐非道な現実に頭を抱える。



 
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