CROSS

□GoldBell
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蔓を登り、遺跡の上部を覆う島雲の上に戻ってきクロスとロビンは、ひとまずその場に座り込む。
担いでいたワイパーを下ろし、クロスはポケットを探って焦げずに無事だった煙草をくわえ、ジッポで火をつける。
傍らではロビンが、下に置いてきた空の騎士とゾロの2人を、能力を使って上に運び始めた。
ふーっ、と紫煙を深く吐き出したクロスは、不意に森がざわめき始めたことに気付く。
辺りを見回せば、鳥達が森の樹々から慌ただしく飛び立つ。
何かが起きたことに気付いて、クロスは警戒心を強くする。
バキバキッ、と音を立てて森の一部が崩れる中、森の中から舟が浮かび上がってきた。

「舟………!?」

「あれが、エネルの言ってた方舟か?」

呆然と見遣る先の舟は、徐々に高度を上げていく。
しばらく、浮かび上がった方舟を見上げていた2人だが、怪我人を運ばなければならないことを思い出す。
蔓を登ってきたゾロと空の騎士を、島雲の方へ移そうにも、蔓と雲の間が裂けている。
仕方なく、一度クロスが蔓へ飛び移ってゾロを担ぎ、今度は島雲へ飛び移る。
空の騎士も同じ方法で運び、取り敢えずその場に寝かせる。
その間も方舟は上昇を続け、何やら黒い雲を吐き出し始めた。

「何だアレ……雷雲?」

方舟から吐き出される黒雲が、徐々に広範囲に広がっていく。
紫煙を燻らせながら、クロスはロビンと2人でそれを見上げることしか出来ない。
エネルはどうなったか、ルフィとナミは無事なのか。




 
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