CROSS

□fool
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"神の島"におけるサバイバル。
麦わらの一味『黄金探索組』のルフィ、ゾロ、チョッパー、ロビン、そしてクロスの5名は莫大な黄金が眠ると予想される古代都市の遺跡を、生け贄の祭壇から真っ直ぐ南を目指す。
が、途中で猛毒の牙を持つ大蛇によりバラバラになり、森をさ迷う者数名。
予定通り、南へと進んでいるのはロビンとクロスの2人だけ、あとのメンバーは行方不明。
それでも、はぐれた連中も自力でどうにかするだろうと言うクロスが先に立ち、森を歩いて行く。
どれだけ進んだのか、ふと森が騒がしくなってきたことに気付いたロビンが、足を止めて辺りを見回す。
クロスも足を止め、殺気が森全体に広がっていることを感じ取り、短くなった煙草を吐き捨てて空を仰ぐ。
血の臭いが、微かに風に乗ってクロスの鼻先を掠める。

「大丈夫かしら」

「戦えないガキじゃない、大丈夫だろ」

新しい煙草をくわえ、クロスはサングラス越しに見える空から視線を下ろすと、ロビンを促して再び歩き出す。











「ここは………都市から離れた民家、か」

石畳の道に、樹の根にのみ込まれた民家の遺跡に、辺りを見回しながら呟く。
だいぶ崩れているが、それでもまだ形を保っている遺跡を見渡して、ロビンもまた呟く。

「……やっぱり森にのみ込まれてる……肝心の都市の遺跡は無事なのかしら……」

「どうだろうな………ふむ、にしても面白い光景だな。たった400年で、こんなにも樹が成長して文明をのみ込む……空島特有の環境の成せる業か」

大きな樹の根の下、のみ込まれた石造りの民家に手を触れたクロスは、口元に微かな笑みを浮かべる。
ロビンのように、考古学者として認められたわけではないにしろ、匹敵する知識を持つクロスには面白い光景だった。
もちろん、森にのみ込まれているせいで遺跡の多くが崩れてしまっているが、それでも得られる情報は多いだろう。
そんなことを考えていたら、不意に頭上から奇妙な声が聞こえてきた。

「メ〜〜!!」

顔を上げるのと同時に、樹の上から人が降ってくる。



 
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