CROSS

□criminal
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雲のビーチに戻った俺たちは、古いウェイバーをパガヤに預けるために船へ戻り、ウェイバーを抱えたルフィは再び浜へと向かう。
その様子を、新しい煙草に火をつけながら他のクルー達と一緒に甲板から眺めていたら、階段を下ってくる集団に気付く。

「何だ、あいつら」

その集団は、階段を下りきると同時に何故か揃って匍匐前進を始め、ズリズリとコニスちゃん達に近付いていく。
そして、3人の前で止まると妙な敬礼をしながら、やっぱり挨拶は「へそ」らしい。

「何で匍匐前進してたんだ、あいつら」

「わからねェ…たぶん、あいつら変態だ!!」

俺の疑問にウソップがそう断言すれば、チョッパーはあれが変態か、と納得してしまった。
変態に見えないこともないかもしれんが、出来ればたぶん違うと思いたい。
なるべく関わりたくない連中だけど。

「おいルフィ、放っとけ!!早くナミさん探しに行くぞ!!」

船の甲板から、浜に居るルフィにそう怒鳴る。
しかし、答えたのは匍匐前進してくる際に先頭に居た、マントを羽織った男。

「あなた達ですね!?青海からやって来られた、不法入国者8名というのは!!」

大きな声で言うもんだから、船に居る俺達にも聞こえた。
不法入国者とは、また随分な言われようだ。

「…………何だよ、不法入国って……」

「俺たちが入国料払ってねぇからだろ?」

「入国料1人10億エクストルだったかしら…確かに払ってないものね」

慌てる様子もなく答えるクロスとロビンちゃんに、ウソップが天国の門で逢った婆さんのことを言うが、変な男には言い訳と取られてしまう。
金は払わなくても良い、とあの婆さんは確かに言っていたけれど、今ここです立証するのは婆さんが居ないから不可能だ。
そう考えりゃ、確かに俺たちの言い分など、向こうには言い訳にしか聞こえないだろう。

「…ですが、まだそうあせる事もありません。不法入国、これは『天の裁き』における第11級犯罪でしかありません。罰を受け入れれば、あなた方はその場で安全な観光者となれます」

「何だ、それを早く言えよ。心外にゃかわりねェが。罰ってのは一体何なんだ」

早くナミさんを探しに行きたいのだが、船長のルフィが現状を理解していないと踏んで、仕方なく俺が先頭に立って話を進める。
確かに、罰を受け入れれば問題解決だと言うならば、まずはその罰とやらが何であるか判らなければ意味もない。

「簡単な事です。入国料を10倍払ってくださいまし」

「……ってことは」

「1人100億エクストル――-つまり8人で800億エクストル。この場でお支払い下されば、あなた方の罪は帳消しにさせて頂きます!!」

確かに簡単な事だ、金を払うだけで罪が帳消しになるなら。
だが、エクストルをベリーに換算したらいくらになるのかが判らないので、すぐに支払う事は出来ない。
その疑問をウソップが問うと、1万エクストルで1ベリーに換算されるらしい。

「………………いくらだ?」

「それくらい計算出来ろよ、ルフィじゃあるまいし。1万エクストルで1ベリーになるんだったら、800億エクストルは800万ベリーだ」

「高ェよ!!米何トン買える額だコラァ!!何で命懸けで空へ上ってきて、入国だけでそんなに払わなきゃならねェんだ!!」

指を折って計算しようとして、途中で断念したウソップにクロスが答えたら、その有り得ない金額にブチキレた。





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