CROSS

□VS.GOD
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ガン・フォールの、人の生きるこの世界に"神"などおらぬ、と言う叫びが辺りに響く。
その言葉すら、エネルには届かない。
かつてのガン・フォールの部下であった"神隊"も、既に手に掛けたと平然と話すエネルに、ついにガン・フォールも我慢の限界を越える。
一気に間合いを詰め、鋭い槍の突きを放つ。
だがエネルはするりとその突きを避けると、ガン・フォールの頭と顎に両手をかざす。
パリッ、と空気が鳴る。

「"2000万V"……"放電"!!」

バリッ、と雷撃がガン・フォールを貫く。
崩れ落ちるガン・フォールに、エネルは不適に笑む。
私が"神"だ、と。

「悪魔の実か……」

「おそらく……"ゴロゴロの実"……!!数ある能力の中でも……確かに……"無敵"と謳われる能力の一つ、"雷"の力」

ロビンの言葉を聞きながら、クロスは頭を働かせる。
己の還る場所を、仲間を守るにはどうするべきか、どう戦うべきか。




「――――さて、丁度"予言"の時間……これで6人だ」

ぐるりと一同を見回し、エネルは高らかに宣言する。
これから旅立つ夢の世界、フェアリーヴァースへお前達を連れて行こう、と。
いきなり何を言い出すのかと思えば、エネルはこれからフェアリーヴァースに"神の国"を建国するのだと言う。
その地に住めるのは選ばれた人間のみ、サバイバルに耐えきれない今までの部下では国のレベルを下げるだけなのだ、と。

「それをもし断ったら……?」

ロビンが、静かに問う。
黄金の鐘の在処、それを切り札に話を進めようとしたが、エネルはすでに目安をつけていた。
クロスやロビンの行動から、同じ場所を思い描いているらしいエネルは、ロビンに指先を向ける。

「おれは、打算的な女が嫌いでね」

「ちっ!!」

クロスが腕を伸ばすのと、ほぼ同時に雷光がロビンを貫く。
抱き寄せようとしたクロスは間に合わず、雷に貫かれたロビンの身体が意識を失い、ゆっくりと倒れていく。
その身体を抱き抱え、クロスはそっと地面に横たえる。
同時に、ゾロが刀を構えてエネルを睨み付ける。

「女だぞ」

「見ればわかる」

平然とのたまったエネルに、ゾロが斬りかかるが、金の棒に防がれる。
続け様に斬りかかるが、身のこなしも軽くエネルはゾロの攻撃を避けたところを、ワイパーのバズーカが業火を放つ。
その業火をエネルは笑みすら浮かべて、一瞬で雷鳴が轟く程の放電で消し去る。
その様子を黙って見ていたクロスは、エネルギーのスケールの違いに眉を寄せる。
それでも、果敢に斬りかかったゾロの刀がエネルの身体を両断するが、雷そのもののエネルに斬撃は意味を成さない。


 
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