CROSS-2

□Light snow of recollection
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「いいのか?」

「血ィ飲んでも美味くはないって判ってるけど、飲んだら早く治るんだろ?じゃあ飲む」

「……………くくっ、俺の血が不味いのはチョッパーがもう先に飲んで知ってるよ。手ぇ離すけど、首に掴まってろよ?」

美味いか不味いかで判断する辺りがルフィらしい、とクロスは喉の奥で笑いながら思う。
力を振り絞ってルフィが首に掴まるのを待ち、クロスはルフィの腰から手を離して親指の腹を噛みちぎる。
溢れ出した血が手を伝うまま、ルフィの口元に左手を持っていけば、パクリとくわえられる。
そのまま、ちゅーっと血を吸い取られる。

「………別に一、二滴舐めるだけでも効果があるんだがな」

「ぷはっ、そうなのか?」

やっぱ不味いなー、と笑っているルフィに苦笑を返し、クロスはチョッパーに診察を任せる。
取り敢えず、クロスの血のおかげで出血が止まっているのを確認したチョッパーは、もう少し落ち着ける場所でしっかりと手当てをしたいと言って、今はルフィを肩車して足の代わりになる。
と、そこでルフィが気付く。
ウソップがいないぞ、と騒ぎ立てるルフィとチョッパーに、サンジが再び仮面を装着したそげキングに呼んでるぞ、と声を殺して話しかける。
ルフィとチョッパー以外は、最初からそげキングとウソップが同一人物と判ってるので、どう誤魔化すのか見守る。

「安心したまえ、彼ならさっき小舟で先に帰った」

「え〜〜〜っ!?なぜだー!!本当は今、この船あいつのもんなのに」

「………あの馬鹿は、何をもって長っ鼻と認識してんだ?」

「さぁ?」

クロスの呟きに、同じことを考えていたゾロも首を傾げる。
ちなみにそげキングは、サンジに頭を蹴られている。


 
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