CROSS-2

□VS CP9-4
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「サンジ君っ!!あの状態からどうやって」

「天からバスタブが落ちてきて呪縛が解けた。湯をかぶったせいだろう」

それを聞いたナミは、カリファの石鹸の能力は水で洗い流せたことを思い出す。
チョッパーが暴れた結果が、サンジを復活させた。
また惚れ直したんじゃないの、と踊り出したサンジにナミはバスタブが当たればよかったのにと返して、内心ではこの状況をサンジが変えてくれると安心していた。
血を流し、ボロボロになった身体で何とか起き上がろうとするそげキングにナミが、"鼻ップ"と呼び掛ける。
それに、とうとうそげキングと一字も合わなくなったか、と返すぐらいには余力があるらしいそげキングは、サンジに苦しげに声を掛ける。

「ゲホ……!!…ハァ…ハァ…す…すまないサンジ君…ハァ……おれは…………!!やっぱりおれには」

「………命がありゃいい。誰にでもできる事とできねェ事がある」

そげキングが吐き出そうとした弱音を、サンジがそう遮る。
そして、ナミとそげキングに外を見るように促す。

「……………!!え……」

「"正義の門"が!!開こうとしてる……!!」

「…あの門が開いて…クロスとロビンちゃんが通過しちまったら、その先の海はおれ達には渡れねェ海王類の巣。さらに奥には「大監獄」「海軍本部」。直にロビンちゃんとクロスはおれ達の手の届かねェ場所へ行っちまう!!」

「そんな……ルフィは間に合わなかったの!?」

絶望が混じった叫びに、応えるルフィの声はない。

「状況は……最悪だ」

スパッ、と紫煙を吐き出しながらサンジは言葉を続ける。
最悪の事態には必ず相応のチャンスが眠ってるもんだ、と。

「こいつの鍵はおれに任せろ。お前にできねェ事は、おれがやる。おれにできねェ事をお前がやれ!!」

「!?」

「ぎゃっはっはっはァ!!選手交代かァ!?おれァ構わんぞ!!」

「よく考えろ、状況を読め!!お前がいればロビンちゃん達は必ず救えるんだ!!ウソップ!!」

サンジの言葉に、そげキングもといウソップは困惑を隠せないまま、選手交代。
ナミに引きずられ、戦線を離れていく。
ジャブラと戦い始めたサンジを横目に、回廊を走り逃げていたウソップが、サンジが言わんとしていたことに気付く。


 
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