★ひとつ星★

□よん
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やきもきしながら過ごしていると、ようやく帰る気になったようで 「これ…」と花束を今更ながら渡している。

「花束も君みたいな美女に抱えられてたほうが 幸せだと思うんだけどな」 なんて歯の浮くセリフをはきながら 受け取るヒョン。
口があんぐり開くとはこのことだ。

楽屋を去る彼女を見送ってスタッフも出て行き 、楽屋に残ったのは僕とヒョンのお付きスタッフ。
そのスタッフも僕が相手だからか出て行って ようやく楽屋にふたりきり。

「で、ゴニルは花束の1つも持ってきたりはしてないの?」

彼女から受け取った花束を両手で抱えて香りを嗅ぐように顔に近づけるヒョン。
ヒョンがこうゆうことを言うのはいつもの事な のに、抱えている花束に渡した彼女を重ねてしまって なんだか鼻がツンとしてくる。

「…やだ」

思わず口に出た。

「こんなの、棄てちゃってよ!」

言葉とともに涙まで出てきて止まらない。

「彼女とばっか話してて…僕、きたのに…そりゃ 何も持ってこなかったけど…」

正直 何を言ってるんだか、自分でもちゃんと分かってない。
ただ無性に泣けて仕方なかった。

「はぁ〜」

滲んだ視界の向こうでヒョンが聞こえるように溜め息をついて肩をすくめるのが見えた。
…呆れられてるよね。

「まったくこの子は…」

花束をおいてヒョンが近づいてくる。

「座席ではバカみたいに『ソンジェ〜』ってうるさいし、楽屋では他の人と話してただけで泣くし、とんでもなくかまってちゃんだな」

「だって…」

「だって、じゃありません」

そう言ったかと思うと、徐にヒョンが僕の首に腕を回し軽く口づけしてきた。
本当にヒョンはいつもこうゆうことを突然してきて そのたびに僕は一瞬たじろいでしまう。

「うるさい口をふさぐにはベタなこれが一番だ な」

ニッと微笑みを浮かべるヒョンに思わず見とれた。

「ヒョン…きれい」

「知ってる」

クスリと笑って僕を包むように抱きしめてくれた。

「さ、かまってちゃんのゴニル、今からホテルでたっぷりかまってあげるからね」

ヒョンの手が下半身に回ってきた。

「なっ///////」

「あれ?かまってほしくなかった?」

「…かまってほしいです…」

「よろしい」と満足げに微笑むとさっさと楽屋を出て行くヒョン。
ドレッサーには花束が置かれたままだ。

「ヒョン、花束…」

「ゴニルを泣かせたものを持って帰れるわけないだろ?」

「ヒョン!!」

嬉しくなって 先を歩くヒョンに後ろから抱きついた。
だからヒョンが大好きなんだ。


「でもお花がかわいそうかも」

「…お前がそれを言うか!?」

「だって…… あ!やっぱり持って帰ってお風呂に…「却下!!」 」

「…」

やっぱり少し冷たいかも。




《END》








(すいません。オチがまとまらなくて・笑)
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