☆流れ星☆ミ

□うたた寝
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side-S


帰宅するとソファでヒョンが寝ていた。
状況からみて、この前の日本でのコンサート資料ビデオを見直してる最中に寝落ちしたようだ。

…まったく仕方ないなぁ〜 この人は。
さすがに夕方になると室温も下がる。
風邪をひくといけないのでブランケットをかけてあげると 無意識にそれを巻くように体を丸めて一瞬フニっとした笑顔をみせた。

ちょ、かわいすぎじゃん。
無防備な顔して眠るヒョンは本当にかわいい。
いや、普段からかわいいんだけど、仕事のときはさすがにしっかりとした顔をみせているし、ステージではドS気取りでかっこつけてるし。
と ここまで思ったところでちょっと笑えてきた。
ドS気取り…違うか、この人は自分がSだって本気で思ってるところがあるもんな。
本当はメンバーの中で一番そこから遠くにいるのに、自覚ないんだから(笑)
自らドMって宣言してるゴニルだってヒョンに比べたら 全然だよ。
なんて考えながら ヒョンを見ていたら、口唇が半開きになってきていた。
…かわいい
悪戯心が芽生えて かわいく開かれた口唇にポッキーをさしてみる。
もぐもぐもぐもぐ…
人間って無意識でも好きなものが口に入ると食べるんだな。
楽しくてもう1本、さらにもう1本… 3本目を入れかけたところで ヒョンがもぞもぞし始めた。
やばい、さすがに起きたか… 入れかけのポッキーを引っ込める。
でも悪戯心は止まらない。
今度は目覚めたヒョンをびっくりさせようと キスをせがむように口唇を尖らせて「ん〜っ」と目を閉じてみる。
きっと「何事!?」ってたじろぐにちがいない。













たじろいだのは自分のほうだった。

いたずらに突き出した口唇に何かが触れる感覚。
驚いて目をあけると 間近にヒョンの顔…
!!?
なにか考えが及ぶ前に今度は片腕をのばして頭を抱えてくる。
深く唇を重ね舌を絡めてくるヒョンに体は硬直してしまう。

な、なに!?
突然の出来事にフリーズした脳が動きだした時、ヒョンは再び口唇を半開きにして眠っていた。

…まったく仕方ないなぁ〜 この人は。
かわいい寝顔を見せられて もう笑うしかない。
肩からおちたブランケットを掛け直しながら、額に口唇を寄せる。

「ぅん…ソン…」
え!?
いま名前を呼ばれた?
ソン…ってどっち!?
名前の続きを求めても また健やかな寝顔。
そもそも あのキスは誰だと思ってしてきたんだろう。
ちゃんと自分のこと分かってしてきたのかな?
もう一度試そうかとした時、玄関が開く音がした。
「ただいま〜」
…ゴニルだ。
タイムリミット。諦めてソファを離れる。
ヒョン、今度 はっきりしてもらうからね。
次はどうしてみようか…そんなことを考えながらゴニルを出迎えた。
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