★ひとつ星★

□よん
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1月某日、ヒョンの舞台を観にきた。
途中、拷問されるシーンなんかは思わず目を覆いたくなったりもしたけど、とにかくヒョンは かっこよくて気づいたらカーテンコールでヒョ ンの名前を叫びまくってた。
う〜ん、いい気分♪

「ゴニルさん、楽屋に行かれますよね?」 スタッフに声をかけられ「もちろん」と歩き出 す。
花束、やっぱり持ってくるべきだったな… なんて少し後悔しながら楽屋のドアを開けようとし た時、スタッフから注釈が入ってきた。

「いま楽屋にお客さまがいらっしゃってますの で…」

?…だから何だっていうんだ!?

「ヒョン!」

構わずドアを開けた。

「…ノックくらいしなきゃダメだろ」

誰かと談笑していたヒョンが僕に視線をうつし 笑いながら窘めてきた。

話してた相手は明らかに女の人の後ろ姿。
誰? ヒョンの視線の移動に促されるように振り返ったその女の人の腕には大輪の花束、そして その花に負けない美しさを備えた顔。
彼女は以前 ヒョンと共演した美女だった。
僕についてきたスタッフが彼女をみて「やべぇ 綺麗すぎ…」とか言っているのが聞こえてくる 。

「ゴニルさん、こんばんは」

何度かステージで一緒になったこともある彼女 が微笑みながら挨拶をしてきた。
でも僕はキラキラした笑顔に一瞬怯んで「どう も」としか返せなかった。

「ゴニル、失礼だよ。ちゃんと挨拶しなさい」

つかさずヒョンが注意をしてくる。

「ソンジェオッパったらお父さんみたいね」

コロコロ笑いながら彼女が言う。

はぁ!? オッパァ? いまオッパって言ったか、この女〜 っ!?
そしてヒョン!デレた顔で「出来の悪い息子で …」なんて話に乗ってないでよ!!
…ダメだ、軽くイラッとする。

そのまま改めての挨拶も返さない僕を気にする 様子もなく 二人は談笑に戻った。
なんなんだよ、その笑顔。
目尻がさがりすぎ〜 オッパなんて呼ばれて喜んじゃってるのかよっ! ?
っていうか 僕、完全に除外されてない!?
会話に入ることもできずその場にいると、周り の声が耳についてくる。

「本当に綺麗ねぇ」
「ソンジェさんも綺麗だし、まさに美男美女で お似合い」
「身長バランスもよくてベストカップルよね」

…おい、なんで勝手にカップル設定なんだよ。
でも今 自分の目の前の二人はまさにお似合いの カップルで、、、微笑み合う様子なんかはラブ ラブといった印象をうける。
…僕がいるのになんなんだ。
なんでヒョンはこっちを見てくれないの?
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