★ひとつ星★

□NO SMOKING
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事のはじまりはソンジェ兄の誕生日祝いの席。

みんなからプレゼントを渡されたソンジェ兄はひとしきり御礼をいうと、ヒョンに話題を振った。
「次はヒョンの誕生日だよね。プレゼントは何がほしい?」

なぜ自分の誕生日祝いに次の誕生日の人のプレゼントリクエストを聞いているんだか。
と言うか あげたいものを勝手に贈ればいいじゃないか、ヒョンが欲しいものは全て僕が買ってあげるんだから。
僕だけがヒョンの欲しいものを知っていればいい。
そう思ったのに、ソンジェ兄の言葉に真っ先にジヒョクが相乗りしてきた。

「ソンジェヒョ〜ン!あったまい〜っ!今聞いておけばバッチリだよね」
何がバッチリなんだか。

「確かに全員にリクエストしてくれたらヘタにそれぞれが考えて被ったりしなくていいよね」
これはゴニル。 お前の独特の感性と被ることは滅多にないと思うぞ。

「一緒に買い物いって欲しい物を買うつもりだったけど、リクエストされたものを探すのも楽しそうだ」
グァンス、一緒に買い物って時点で僕から却下だよ、却下!


ヒョンは僕以外のみんなからリクエストをせがまれ困惑している。
「いや、急にいわれても…それに、ね、ソンジェの誕生日祝いの最中だろ?」
ヒョンは誕生日の名目とはいえ年下の僕らに何かを買わせるようなことを好まない。 だから確実に買わせることになるリクエストは困るんだろう。
みんなもそれを分かってるのに、なんで聞くんだろ。
…いや 分かってるから絶好の機会だと聞いてるのか。
やいのやいのとヒョンにリクエストをせまる状態に終止符をうったのは、やっぱりというかさすがというかソンジェ兄だった。
「わかった、突然すぎたよね。明日のミーティングまでに考えておいてね」
否が応でもリクエストをしなきゃいけない状態に追い込むセリフをソンジェ兄は極上の笑顔で口にする。
「う、うん…」
相変わらずソンジェ兄には甘いし弱い。
ちょっとだけ僕はムッとした。

ヒョンが了解したことでみんなは気をよくして再びソンジェ兄の誕生日祝いに盛り上がった。
ヒョンはリクエストをどうしようと思っているのか 落ち着かない様子でいた。

ヒョンはどんなリクエストをするんだろう。
自分もなかなか聞き出すのに苦労しそうだと思ってたから ラッキーだと思ってたことは ヒョンには内緒。
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