黒×黄(黒子のバスケ)

□蜂蜜(完)
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 パシャ、パシャ……

 響くカメラ音。

 撮影用の機材が並ぶスタジオ。

 「涼子ちゃん、こっち向いて!」

 ポーズを決めるモデル。

 黄瀬 涼子。


 「良い、笑顔だね!!」

 金の髪、綺麗な蜂蜜色の瞳。

容姿端麗、スタイル抜群の今、人気上昇中の新人モデル。

 「涼子ちゃん、部活始めたんだって?」


 撮影後、スタッフに声を掛けられる。

 「はい。そうなんです。」

 「何に入ったの?」

 「バスケ部です。」

 「へぇー。涼子ちゃんって運動神経良いんだ?」

 「はい!でも、マネージャーとしてですよ」

 飲み物を飲みながら話をしていると、また別のスタッフも声を掛けてきた。

 ちなみに、ふたりとも男性だ。

 「涼子ちゃんがマネージャーって!めっちゃ、気合い入りそう!!」

 「良いなぁ〜俺も学生に戻りたいよ!!」

 「それで、仕事量減らすんだね。」

 「はい」

 「人気あるのにもったいない!」

 「モデルの仕事も楽しいですよ。でも……」

 「やっぱり、学生のうちしかできないことあるよね!」

 「涼子ちゃん。俺、応援するよ!頑張ってね!!」

 スタッフのひとりが黄瀬の手を握った。

 「抜け駆けするなよ!」

 もうひとりが怒る。

 ……


 そんなふたりのやりとりを苦笑いで流しながら黄瀬はバスケ部のことを考えていた。


 (……情熱、感じられたらいいっスけどね……)


 
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