黒子のバスケ(黄黒黄)五十音(完)

□お泊まり
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ガチャリ‥‥

 誰もいない暗い部屋の鍵を開ける。

 「ただいま」

普段は虚しく闇に消えることば


 でも、今日は後に彼が居る。

 「さささっ!黒子っち、遠慮しないで上がってくださぃす!」

嬉しそうに振り向く。

 そんな彼のテンションに少し置いていかれつつ、
「おじゃまします」
と、靴を脱ぎ揃え、スリッパを履く。

 玄関に通された時から、ふんわりといい匂いがした。

 (黄瀬君の香りですね。)

何となく思った。

 「広い家ですね。」
前を歩く黄瀬に言う。

 「そうですかね?オレにとっては普通なんでわからないっす。」

「‥‥」

 微妙な空気が流れた。


 「オレの部屋、2階なんっすよ!先に荷物置きに行くッス。」

 荷物といっても、学校の鞄と部活のユニホームぐらいだ。

 前からわかってた事なので、事前に黒子の着替えなどは黄瀬があずかっていたのだ。

 当日の荷物を減らす為に。

タオルやパジャマは黄瀬が用意している。

 「お風呂、今沸かしてるっス!シャワーを浴びているうちに沸くと思うっス。
 それとも、ご飯先に食べるっスか?」

 黄瀬の質問に答えたのは黒子のお腹だった。

 ぐ〜〜〜〜っ

 「‥‥お腹の方がなってしまいましたね。」

 うつむく黒子。

「あははっ!そっスね!」

 朝、作ったシチュウを温める。

向かい合って座った。

 とりあえず、制服から部屋着に着替えた。

 『いただきます』

 ふたりで、食べるご飯。

目の前で「おいしいですね。」と黒子が言ってくれた。

 それが、すごく嬉しかった!!

帰ってきた時間は結構遅かった。

 お腹が落ち着いたら、直ぐにお風呂に入って部屋へ。

 生憎、次の日も学校があるので疲れが残らないように、12時には二人とも布団に入った


 「今度は、ゆっくり泊まりに来て欲しいッス」

 「そうですね。」

大好きな黒子と一緒なのに、次の日の事を考えて直ぐに寝ないといけないのが寂しかった。

 「もっと、色々語り合いたいっス!」

 でも、隣で、一緒に寝れるだけでも今は、幸せっスよ。

 先に、寝息をたてた黒子の頬を撫でる。

 そっと額にキスをした。

「おやすみ、黒子っち」



          おわり

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