黄黒黄(五十音)2
□玄関(完)
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「ただいま」と玄関を開けたら
“君”が居た。
☆ー☆
今日も疲れたなって思って、
いつものように玄関の鍵を開けた。
誰も居ないのにただいまって言うのが習慣。
ガチャリとドアノブを回し、
「ただいま」と玄関を開ける
「お帰り」
と、懐かしい台詞が返ってきた!!
!?
ビックリして顔を上げると‥‥
「お久し振りです。元気そうでなによりです。」
目の前には懐かしい”君”が居た。
幻覚?幻聴?
俺は疲れているのかも知れない。
だって、ここ1週間ぐらい家に帰ってなかったし‥‥
大学入ってから、全然連絡もくれなかった相手が目の前に居るなんて!!
「幻想でも、幻惑でも、何でもいいっっスー!!!」
俺は嬉しさで震えて、目の前の彼に抱きついた!!
ぎゅうううう!!
「く、‥‥くるし‥‥です‥」
目の前の彼の言葉も耳に入らず、抱き締める!!
「苦しいって言ってんだろっっ!!」
彼らしくない言葉が飛び出した途端に後ろに吹っ飛ばされた!!
玄関の扉が少し空いていたので、外まで少し転がった。
「‥‥まったく。」
ため息が聞こえる。
「相変わらずですね。君は」
呆れながらも、転がった俺に手を差し伸べる。
「黒子っち‥‥も相変わらず、手加減が無いっスね」
黒子っちの手を引っ張る。
よろけながらも俺を立たせる。
「どうやって、家に入ったんスか?
」
立ってから、体をはたく。
パンパン
「嬉しいけど、不法侵入になるっスよ。」
ドスッ!
黒子っちにお腹を殴られた!!
「?!何するん‥」
と、文句を言おうとしたが‥‥
「君が、仕事で1週間家を空けると君のおかあさんに聞いたから来たんですよ。」
「え?」
キョトンとする俺。
「疲れて帰ってくるであろう、君を迎えてあげて欲しいと言われたんです。」
と、黒子っち。