黒子でパロディ

□3兄妹(完)
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 「はっ!とう!やっ!!」

 ビュンビュンと今日も朝から空手の練習をする美少女リコ。

 キックと拳の音が凄い!!


 「我が娘ながら末恐ろしい……」

 胴着姿のリコを見てそう声を漏らす父親の順平。


 「元気があって良いじゃないか〜」

 可愛いピンクのレースが付いたエプロンを着て朝食の用意をしていた長男の鉄平が言う。



 「………何で、長男のお前の方がニコニコ料理作ってんだよ!しかもレース付きのピンクのエプロンかよ!!」 


 「お父さん、そんなに怒るとまた血圧があがるぞ。ははは」

 鉄平は笑いながら温かいお茶を順平に渡す。

 
 「……サンキュ」

 と、言ってズズと飲む。


 「あれぐらい元気じゃないと、俺の息子の相手はできませんよ!」

 そして、いつの間にか現れた慎二が言う。

 「おじさん、おはようございます。」

 鉄平は慎二にもお茶を渡す。

 「おはよう。ありがとう、鉄平くん。」

 と、慎二もお茶を啜る。


 「ねぇ、俺にもお茶ちょうだい。」


 寝ぼけ眼で次男も現れる。


 「敦。せめて、お前が格闘技の練習をしなさい。リコが強くなりすぎて俺は…」

 少し涙を流す順平に

 「嫌だよ。めんどくさい。」


 ふわああ〜あくびをする。

 「鉄平お兄ちゃん。ごはんまだ〜」

 「リコが朝練終わってから。その前に着替えておいで」



 「わかった。……ほんっと、朝から熱いな〜リコちんは。」

 ぬぼぉ〜としながら洗面台に向かう敦。


 ……

 「何で、こうなったんだ?!俺の育て方が悪かったのか!!」

 子供達を見て順平は嘆く。

 「まちがってないよ、お父さん。」
嘆く順平に鉄平が言う。


 ポン肩に手を置く。

 「婚約者が男の子だったんだし、もう道場を継ぐのはリコだと決まっている。
あのリコの強さを受け止めることが出来る大輝くんがいるから、八つ当たりで道場の壁が壊れることも少なくなると思うんだ。」


 「大輝がリコさんのサウンドバッグ代わりになりますよ!あっはっはっ!!」


 諭す?鉄平に便乗して笑い出す慎二。
バキバキと手の骨の音が聞こえる。


 「朝から何、面白い話してんだよ、テメーッッ!!」
 
 「あっ、おはよう。大輝くん」

 順平は大輝に声を掛ける。


 「……っはようございます。おじさん!!」

と、返事をしながら慎二を道場の庭にある池に放り込んだ!!


 バッシャャーーーン!!


 と池に放り込まれた慎二。


 水から上がると別人に!!


 セリフボードを持って”何するんだよ!バカ息子!!“

 といきりたっている!!

「それはこっちのセリフだ!!バカ親父!!」


 叫び出す親子。


 「友達と娘の許嫁も間違えたかも……」

 ため息をつく順平。


 「水を被ると慎二さんが水戸部になる。
大輝くんは……」


 鉄平の解説。

 「止めてください。おとうさん。」

 バシャッ水を掛けられた大輝は
「テツヤくんという温厚な人格になる。いやあ〜面白い。」


 それだけ言い終わると、また朝食の用意をし始める鉄平。


 「もう、嫌だ!
母さん!!生き返ってくれっっ!!俺を助けて!!」


 順平は亡き妻に助けを求めるのであった。


 

   終わり。

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