黒バス(桃受け)

□甘えん坊 紫→桃
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 「さっちん」

 呼ばれて振り向く前にズシンと重みを感じる。

 「‥‥むっくん、重いんだけど‥‥」

 よろける桃井を
「あららー 倒れちゃうね〜」

 とん。
自分の方に抱き寄せる。

 紫原に背中から寄りかかったようになった桃井はそのままの体勢で上を向く。

 紫原にのぞき込まれている状態。

 「もぉーっ!あららじゃないでしょ!!
むっくんは重いんだから!!」

 と、抗議する。

 「黒ちんは寄りかかってもフラフラしなかったのになー」

 (私もテツくんに寄りかかりたいよ!)
 と、いう気持ちを隠しつつ

 「テツくんは男の子だからだよ!」

 と、紫原に向かって抗議。

 「さっちんは女の子だもんねー だから柔らかくていい匂いがするんだねー。
マシュマロみたい〜」

 〜〜〜ぐぅぅ!!

 紫原のお腹の音が鳴る。
抱きしめられているので大きく聞こえる。

 「お腹空いた〜 さっちんお菓子持ってない?」

 「持ってるのあげるから、取り合えず放してくれない?」

 いつまでも自分から離れない紫原に言う。

 「わかったー」

 と、解放されたので鞄からお菓子を出す。

 「はい。むっくん、食べ過ぎはだめだよ」

 持っていたチョコレートを彼に渡す。

 「ありがと〜 さっちん!!」

 お礼を言った紫原に今度は正面からギューーっとされる!!

 「きゃあっっ‥‥苦しいよ、むっくん!!」

 「あらら〜」

 女の子って難しいと言って離れる。

 桃井から貰ったチョコレートを嬉しそうに食べる紫原。

 「そろそろ部活、始まるよ」
 桃井は隣の彼に声をかけてから歩き出した。

 「うん。」
歩き出す桃井の手を掴む

 「え?」
 「手、つなご〜」

 今日はどうしてこんなに自分に甘えてくるんだろう?

 「むっくん、流石に手を繋いで部活に行ったら勘違いされちゃうよ。」 
 手を繋いでくる紫原を窘めると
 「ええー、今日はさっちんをいつも独り占めしている峰ちんが居ないのに〜」

 だからだからと結局ずるずると引きずられる感じで手を繋いで部活へ‥‥

 「ちょっと、むっくん!?
どーしてそこで青峰くんが出てくるの?!


 桃井の抗議を聞き流した紫原。

 結局は部活まで手を繋いで来たふたり

 「2人とも仲良しですね。」

 「えっ?!」

 「あ、黒ちん〜。うん、今日は峰ちんが居ないから、さっちんひとりだから〜」

 「テ‥‥テツくん!違うのコレはっ!!むっくんが!!」

 あわてる桃井。

 (わーん!!誤解されちゃう!!)

 「いつも、青峰くんのこと羨ましがってましたもんね。」

 桃井の慌てっぷりをスルーして紫原と話す黒子。

 (え?)
 「そーなの。だから邪魔しないでね〜」

 「わかりました。」
(えっ!!)

 赤くなったり、青くなったりする桃井。

 「桃井さん、青峰君は大丈夫なんですか?」

 紫原とのこの状態をさらりと認められてショックを受けた桃井、少し反応が遅れる。

 「‥えっと、あっ‥‥あいつは自業自得。昨日、授業さぼって屋上で寝たりするから風邪ひくのよ!!
テツくんが心配することないから!」

 「そうですが、心配です。」
 「テツくんはあいつに優し過ぎ!ちょーしに乗ったら大変だから甘やかさないでね!」

 「‥‥いえ、青峰くんというより、桃井さんがなんですが‥‥」

 
 (どういう、意味で?)
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