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□2.
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その後の雪村の変貌振りは凄まじかった。
今までのうっとりする様な目で俺を見る事は無く
本物のマウスを見るような冷たい視線で俺を見下すようになった。
勿論、寮内で会話は無し。
俺という物体が存在しないような--------------------------
確かに....好きな奴の振りをして
自分を騙していた奴に対して嫌悪感を覚えるのは当然か...。
なにより驚いたのは悠と交換されなかった事だ。
どうゆう風の吹きまわしか知らないが
悠に連絡している限り怪しげな外車に追いかけられたり
していないようだ。
まさか悠の存在に気づいていない.....?
俺じゃ無いと気づいた瞬間、兄弟疑うよな.....。
まぁ....いっか。
雪村からのスキスキ攻撃も無くなって、高校からも追い出されない。
俺にとって理想的な高校生活の始まりだ。
ただ.....こいつを除いて。
「ひ------------------お!!!!!!!!」
うざいくらいのキラキラオーラで俺に後ろから抱きついてくる
「黒城先輩。邪魔です。」
黒城先輩の吐息が耳にあたる。
黒城先輩は食堂で俺に公開告白をしてきた人物だ。
俺が入院中に、食堂で雪村から名乗った「佐藤三郎」は嘘だとばれ、
俺の名前と学年など個人情報を手に入れた黒城先輩は
毎日この調子で昼休みになると絡みにくる。
うざい。無駄に年中フェロモン大放出過ぎるだろ。
「氷魚好き。俺と付き合ってよ。」
「嫌。」
「氷魚-----いつになったら俺のになるんだよ---。」
あぁ......本気でうざい。
「氷魚楽しそうだねぇ。」
ニヤニヤしながら横で漫画を読んでいた隼人がこちらを向いた。
「結城君からも言ってよ。氷魚ツンデレ過ぎだと思わない?」
「俺は、そうゆう所が好きですよ。Hの時無茶苦茶に泣かしてやりたくなるしぃ。」
ヘラっと爽やかな顔で隼人が黒城先輩と楽しそうに話す。
おい。お前は俺の友達だろ。
俺はホモじゃない。
男にケツを掘られるなんて冗談。
だからといって女子の体にも興味が無い。
俺は人間に興味が無いから恋愛感情というものが良く分からない。
その点隼人は、恋多き男だ。
まぁ....相手が殆ど男だが。
キーンコーン
予鈴がなるとパッと俺の体から黒城先輩が離れた。