BL小説

□冬の帰り道
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「しょーご、帰ろうぜー。」
「おう。」


部活も終わり、俺はしょーごに声をかける。


「あー!!大ちゃん!!私をほって帰るつもりー?」
「っち…さつきは緑間とかと帰れよ…」
「みどりんは反対方向だもん!!ねぇ、いいでしょ!!」
「ダメだ、俺はしょーごと帰るんだよ」
「もう!しょーご君、私も一緒に帰っていいー?」
「んー?ああ、俺は別にいいぜー」
「ほら!大ちゃん、しょーご君いいって言ってるじゃん!!」
「っち…。俺らの邪魔するなよ?」
「?うん!わかった!」


さつきは俺らが付き合っていることを知らない。
別に俺は言ってもいいんだけど
しょーごがややこしい事になるのは
嫌だって言ってるからな。


「…じゃあ帰ろうか」
「うんっ!」「おう」


俺らは3人で体育館を出る。


「うわ…寒いねー…」
「本当だなー、雪でも
降りそうだな…」


3人並んで校門を出る。
今は1月、吐く息も白い。


「こんな寒かったら風邪ひくな…」
「大ちゃんは大丈夫でしょ!馬鹿だし!」
「ははっ、確かにwww」
「うるせー」





「…あ、私、ここまがらなきゃ…
じゃあねー、大ちゃん、しょーご君!!」
「おう、また明日ー」
「気を付けろよー」


さつきと別れて2人だけになった。


「…っ。やっぱ寒いな…」
「あぁ…そうだな…」


その時、


「…?…あれ?…雪か?」
「…雪だ…」


はらはらと雪が降る。
…なんか、しょーごの髪みたいな色…。


「うぅ…つめてぇ…。」


しょーごが手をさする。


…。


「しょーご。」
「ん?」
「手」
「え?」
「手…。冷てぇんだろ…?」
「あ、おう」
「…かせよ」
「え?」
「手、かせよ」


そういうしょーごの手をそっと握った


「!!」
「っ…冷たすぎるぞ…お前の手…」
「ちょ、大輝」
「あ?」
「ん、あの、ちょっとはずかしい…。//」
「あ?別にいいだろ?」


しょーごの手を強く握る。
手とは違ってみるみる赤くなる顔。
お前…かわいすぎるぞ…。


「…やっぱはずかしい…。」
「…そうか、ならつながないか?」
「!!………やだ…つなぎたい…」


しょーごも俺の手を強く握る。
っ…。そんな事されたら…。


「ごめん、しょーご」
「ん?」
「我慢できねぇ」
「え?…んっ?!」


しょーごの口を俺の口でふさぐ


「?!?!大輝っ?!」
「…ふー、ごちそうさん」
「ちょ…何してんだよ…」


しょーごの顔がゆでダコみたいに赤くなる


「んー?キス?」
「キス?じゃねーよ!!」
「え?嫌だったのか?
…んじゃもうこれからしねーわ」
「!!」


そう言って俺はニヤリと笑う


「っ…!!」
「あー、残念だわー、もうキスできねーとか」
「…です」
「あ?」
「嫌じゃ、ない、です…」
「ほう、そうか、で?」
「え?」
「どうしてほしいんだ?」
「え…?」
「俺は馬鹿だからいわねーとわかんねーわ」
「…い」
「は?」
「キス…してください」


これでもかというくらいしょーごの顔が赤くなる


「…しょーご…」
「…ん?」
「…よくできました…」



雪の降る寒い日冬の帰り道。
2人の手は強く握られていた。

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