トリップ少女の愉快な物語
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― あまりにも唐突すぎる展開で申し訳ないのだけれど、どうやら私はトリップというものをしてしまったらしい。
のんきにも、私は“この町”で散歩をしていた。
夏休みに入って、三日と経たないのにもかかわらず、この世界は少し肌寒く、今のわたしにとって、この上なく不愉快である。
「だるぃ………」
そう、吐き捨てる傍ら、なにかおこらないかウズウズしている自分がいた。
もちろん、自分の置かれている状況は把握している。
どのみち、どうあがいても、結果は変わらないし。
ふと、辺りを見渡すと、河川敷が見えるところまで来ていた。
「誰かいないものかなぁー。」
しばらくして、見えないほど遠く離れた場所から、叫び声がした。