Harry Potter

□隠れ言葉
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いつもの時間

いつもの場所

その渡り廊下で

僕らは出会う




「おや、ボサボサ頭のグレンジャーじゃないか!」

「あら、臆病な白イタチじゃないの」


((違う、こんなことを言いたいんじゃない。))


「朝から暑苦しいものをみてしまったよ」

そのフワフワしたロングヘアは悪くない。

「ほんと、早朝からいやな気分にさせられるわ」

時おり見せる臆病で、
寂しそうな表情が気になるの。






敵同士の二人は立ち止まり、

本音ではない言葉で相手を引き止める。




「いつも同じ時間に来られては迷惑だ。時間をずらせよ」

いつまでこうして会えるのか。

「指図されるいわれはないわ。あなたが時間をずらせばいいじゃない」

ねぇ、なぜ遠い目をしているの?
どこへも行かないで。





「あーあ。明日もまた、ボサボサ頭を見なければならないのか」

明日も同じ時間に、ここに来て。

「ほんと、こちらこそいい迷惑だわ」

どうか時間を変えないで。




((また明日、あなたに会いたい))





………………………………

6年生設定。二人はお互いもう間もなく本当の敵同士になってしまうことに、うすうす気づきはじめています。

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