ORIGINAL
□ハグルマ
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「マジうざいんだけど!」
今日もアタシは、大きな声で独り言を言ってみた。
こうやって独り言を言うと、誰かが「どうしたの?」って聞いてくれるから。
愚痴を言う相手なんか、誰だっていいし…
「美嘉ちゃん、どうしたの?」
ほら、聞いてきた。
あまりしゃべったことのないクラスメートだけど…裕子ちゃんだったっけな。まぁ誰でもいっか。
「もー聞いてよ〜うちのクソババアがさ、マジきもいの!」
「クソババア…って、美嘉ちゃんのお母さんのこと?」
真剣な表情で尋ねられて、思わずドキッとした。
「…うん、そうだけど」
「あっ、ごめんね。話続けて?」
「それでさ、そのクソ…お母さんがさ、もうケータイ没収するとか言うんだよね!意味分かんないんだけど!」
アタシがメールばっかりして、成績が下がったからだって。
マジ意味分かんないし。
「でも、ケータイの料金を払ってくれてるのって、お母さんだよね?」
「えっ…」
そういえば、そうだ。
「だから、お母さんが使用制限かけるのは当然じゃないかな」
「そ、うだね…」