ORIGINAL
□水族館
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「ね、綺麗でしょ?」
沙織が少し得意げに言った。
今まで水族館に行ったことがなかった私を、ここまで連れて来てくれたのは彼女なのだ。
色鮮やかな遊泳を見ていると、心のどこかが満たされていくような気がした。
「でもさぁ、こんな小さい水槽で狭くないのかな〜?」
小さな水槽で泳いでいるたくさんの魚たちを見て、沙織はつぶやいた。
確かに、かなり狭そうだ。
ふと、水槽の隣にあった看板に目をやる。
"この魚さんたちは、水族館で生まれました!"
可愛いフォントで書かれたそれは、なんだか不気味であった。