‡many feeling‡
□あのとき僕は…。
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もう少しキミと話していたかった。
もう少しキミと笑っていたかった。
あの日のキミはとても美しかった。
でも、そんなキミを見て僕は辛くて、苦しくて、悔しくて罪悪感が湧いて、吐き気がした。
僕はキミを守ることが出来なかった。
情けなくては、自分自身を殺してやりたくなった。悔しくて涙が溢れてきた。
そんな僕を見てキミはこう言った。
貴「テッちゃん…大好きだよ…。」
こんな情けない僕を見て
こんな惨めな僕を見て
こんな弱い僕を見て
キミは『大好き』と言ってくれた。
僕はキミを抱きしめて、言った
黒「僕も好きです。…大好きです…愛してます。」
貴「…ありがとう、テッちゃん。」
最後にキミは微笑んでそう言って、僕の腕の中で死んだ。
僕は泣き叫んだ。
血だらけで、体も動かないキミだったけど
最後の微笑みは今までの中で一番美しかった。
あの日トラックにひかれたのが、キミじゃなくて僕だったら良かった。
そう思いながら今、僕はキミの墓の前で泣いている。