*colorful feeling*

□第6Q
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自己紹介も終わり、プリントや手紙を配布されて先生の話を聞いてから、帰る準備をする。

「一緒に帰ろッス!!」

「ああ、そうだね。」

さっきテツがふと言っていたことを思い出す。

(バスケ部か…というか、テツって運動出来んのか?見た目的に、不得意そうだけどな…。)

そんなことを考えてると、家に着いてしまった。

「じゃあまた明日ッス!!」

「ああ、うん。」

そういって家の中に 入った。

「ただいま〜…って誰もいないんだった。」

僕には家族がいない。もっとわかりやすく言うならば『いなくなった』と『今はいない』だ。


僕には父と母、双子の弟がいた。

だが、僕が小学校から帰ってきたら母と弟がいなかった。

父と母は離婚し、弟を連れて母は出て行き実家で暮らしているらしい。

幼かった僕は弟に会えないということを知ってから、ずっと泣いていた。


「うわぁぁぁん!征ちゃん…征ちゃんに会いたいよ!」

「…ごめんな麗羅…本当にごめんな…。」



弟と会えなくなって泣いていたところを慰めてくれたのは、いつも涼太だった。

涼太の家は近所だから学校もいつも一緒に行っていたし、遊ぶのはいつも涼太とだった。

「涼太は僕なんかといて楽しい?」

「楽しいッスよ!!」

「本当に?」

「ホントッス!!」

「…じゃあこれからも一緒にいてくれる?」

「もちろんッス!!」

「…ありが、と、う。」

「ほら、泣かないで。俺がずっと一緒にいてあげるッス!」
「…うん!」

今までは父と暮らしていたが、父は病気になり現在は入院している。


そして今に至る。


ベッドに倒れるとそんな記憶が蘇る。

「征ちゃん、今どうしてるんだろうな…。」


そんなことを思っているうちに眠りについていった。

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