【ONE PIECE】

□ループ
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ベッドの軋んだ音が小さな部屋に響く。

小さな部屋。

小さな窓。

カーテンさえない部屋。

それでも良かった。

ただ温もりが感じられるのなら。

そっと頬に触れる指先を違う温度の私の指先で覆う。

サンジ「クソ愛してるよ。」

言葉の後に、唇に触れる柔らかい唇。

啄むように軽いキスを何度も交わし、1度離れた身体はお互いにぎゅっと抱き締め合う。

背に回されたサンジの手が服の裾から入り込み、腰からゆっくりと撫で上げる。

触れるか触れないかのそのタッチに背が反り返る。

サンジの胸の中でその指先に集中していると、ふいにサンジがククッと肩を揺らせて笑った。

不思議に顔を上げると同時に、胸を覆っていた締め付けが緩くなった。

サンジ「クソ可愛い。莎花―――…。」

頬にキス。

莎花「どうせッ。」

フンッと音を付けて顔を横に背ける。

サンジ「何時になっても慣れねェな。」

言いながらも今度はシャツのボタンを外すサンジに頬は膨らみを増した。

莎花「サンジが慣れ過ぎて、」

いるんじゃないの?

と言う言葉は最後まで出る事はなかった。

言葉を失った私に、ボタンを外していた手がとまったが、それは直ぐに動き出した。

沈黙になった部屋に外からの活気溢れる街の声が微かに聞こえていた。

肩から滑り落ちるシャツ。

肘辺りに留まるシャツの上にサンジの長い指がブラの肩紐も下ろす。

上半身の露出に、自身の言葉で自己嫌悪に陥っていた私は肌を隠すことも忘れていた。

ベッドの下に落とされた服の上に、サンジも手際良く自身のジャケットとシャツを脱ぎ捨てる。

肩を押されて力なくベッドの冷たい感触を背中に感じた。

サンジが髪を優しく撫でながら耳元に顔を寄せた。

サンジ「俺の事だけ、考えて。」

言葉なく、肯定を意味する腕をサンジの背に回した。

サンジ「莎花―――愛してるよ。」

意識を引き戻すサンジの言葉。

耳から首筋へと舌を這わされ、肌が粟立つ。




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