□ほととぎす
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ある日俺の前に現われた
一羽の小鳥
愛らしい姿に
一目で心を奪われた
見つめるだけで
幸せが満ちてくる

いつから
それだけでは満足できなくなったのだろう
小さな籠に閉じ込めて
自分だけのものに
してしまいたい

鳴いてくれないか
俺だけの前で
どんなに可愛い顔で囀るのか見てみたい

待っても
どんなに待っても
鳴かないのなら
いっそ

…狂いそうだ

暴れる小さな身体を
この手で
無理矢理押さえ付け
綺麗な羽をむしりとってしまったら
どんな甘い悲鳴が
聞こえてくるのだろう

…もう俺は

ほら
無防備に無邪気に
無力なお前が
近づいてくる

…たぶん狂ってる

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