図書館4(小説)

□永遠の1/2
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アトガキ

…久しぶりのエロス話。
冷静と情熱の間ならぬ、前戯と後戯の間。(笑)
誰がどうやってもやってる事は同じだろうから、あえてここだけのシーンを描いてみたかったのです。
…プラスアルファの葛藤は蛇足だったかも。



オマケ

ふと目覚めると、まだ夜中で、僕は若林くんの腕の中にいた。
それから全裸なままの自分達の姿に気付いて、昨夜の恥ずかしい記憶が一気に蘇る。
肌を重ねるのはこれで三度目。
僕を抱く時の若林くんはどこかいつも苦しそうで、三度目になってもそれは全然変わらなくて、羞恥より何よりもその事が胸に痛い。
こんな関係になる前は一度だけ好きだと言ってくれたけど、今は言葉もなく力ずくで迫られる。
酷く苦しそうで、怒りすら秘めた顔で、だから僕は正視ができない。
今は穏やかな寝顔の若林くんにそっと手を伸ばした。
「…若林くん、」
君の幸せを僕が提供できたらいいのに。
求められて僕が与えられるのは、この身体だけ。
それでも。ずっと前から。僕は。
「好きだよ、若林くん。」
目を閉じて祈るように囁いた。
「岬、」
不意に強く抱き寄せられ、僕は驚いて目を見開く。
「…もう一回、言ってくれ。」
かすれたような若林くんの声がした。



END
20100630
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