宝物部屋(戴き物小説)

□ある雨の日の恋人達の話
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5月のとある日
この日は生憎朝から雨だった。
若林は自分の腕の中にいる岬を起こさない様に
そっと岬を退かしてキッチンへと向かった。
「おはよう、源三」
「おはよう、岬」
そう言ってやがて寝室から岬がやって来る。
一緒に朝食を採った後、
若林は岬にホットチョコレートの入ったマグカップを手渡す。
「ありがとう、源三」
岬は若林にそう言うと、
そのホットチョコレートに、
息を吹きかけて冷ましながら少しづつ飲んだ。
若林はそんな岬の仕草が愛おしく思い、
ふと気が付くと若林は女の子の様な華奢な
岬の身体を背後から抱き締めていた。
「岬・・・」
「源・・・三・・・?」
若林はそう言うと岬を自分の方に向かせて、
少女の様に艶やかで綺麗な岬の唇にキスをした。
深く・・・激しく・・・貪る様に
若林のその行為に岬は最初驚いたが、
やがて、岬も若林の首に腕を回し、キスをした。
ホットチョコレートの味がした。
しばらく経つと若林は岬を抱き抱えてベッドルームへと向かった。
そして、何時間経ったのか、
岬は若林の隣で優しい寝息をたてながら眠っていた。
若林はそんな岬の柔らかい栗毛色の髪を撫でた。
「源三・・・」
岬が目覚める。そんな彼に若林は驚いたが、
やがて気を取り直して
「岬・・・いきなり悪い事してしまってごめん」
「ううん・・・謝らなくてもいいよ」
「えっ?」
「嬉しかった・・・ここ最近ボクから誘う事が多かったでしょ?
でも、今日は久しぶりに君から誘ってくれたからとっても嬉しかった。
やっぱり、源三から誘ってくれるのが一番いい」
そう言って岬は若林の頬にキスをした。
「そうか?でも岬の誘い方もとっても上手いぞ」
笑いながらそう言って若林は岬の額にキスをした。
それに反応して岬が起きると若林の首に腕を回してキスをする。
若林もそれに応じて岬を抱き締め彼の唇にキスをして、
お互いそのまま倒れ込んだ。
窓の外は雨・・・、
誰にも邪魔されないそんな2人のラヴラヴな一時・・・。


Fin・・・
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