詩
□危険
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危険だと本能が告げる
駄目だよ
危ないから近づいてはいけない
捉われたらきっと
逃げられなくなる
怖いもの見たさと
純粋な好奇心
その先には何があるの
僕は何も知らないのに
君は何もかも知っているんだね
危険を承知で
少しずつ近づいてみた
ほんの少し
あと少しだけ
危なくなったら
逃げればいいだけ
今夜鳴り響く警報ベル
動けない
一秒ごとに迫る危険
早くここから逃げようと
理性が叫ぶのに
もう手遅れと
感情が呟く
いつの間に
捉われてしまったの
僕を優しく呼ぶ声に
暖かく抱き締める腕に
蕩けるような愛の囁きで
最後の自由を奪われて
君の熱い唇が
僕に触れた瞬間に
目蓋を閉じた
ゆっくりと
シャツのボタンを
外されていく感触に
恐ろしい程の
羞恥と不安と胸の痛みに
どうして僕は
震えながら耐えてしまうの
嫌という一言で
この危険は遠ざかると
知っているのに
僕の唇から漏れるのは
ただ
甘く君を呼ぶ吐息だけ