バザール2

□小ネタ劇場11
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「え、結婚っ?!誰が?」
「だから俺。」
「いつ?」
「式は来月なんだけど。…岬、出席してくれるか?」
「もちろんだよ。反町、おめでとう!」
「ああ、サンキュー。」
「突然なんだね。」
「まあな。急に決まったから。」
「翼くんの結婚の時も驚いたけど、まさか次が反町になるなんて思わなかったよ。びっくりした。」
「いや、一番驚いてんのは俺だって。」
「なんで、当事者なのに?」
「…そりゃ、まだ身を固める気なんかなかったし。」
「それなのに結婚するんだ。反町凄いなー。ねえ、何で結婚しようと思ったの?」
「あー、それは、だって、当然だろ?…男として。」
「…え?」
「あれ、岬はまだ俺の噂聞いてない?俺の知らない間にいつの間にか広まってんだよな。」
「何の?」
「んー、いや、実は俺さ、」
「…ハッハッハ、知らなかったのかい。岬くん。彼は子供ができたんだよ。できちゃった結婚なんだ。」
「三杉!」
「え?!三杉くん、それ本当?」
「ああ、本当だ。しかも、お相手の女性とはコンパで知り合って、その夜のたった1回が大当たりだったそうだよ。」
「………待て。何でそこまでお前が知ってんだよ。」
「へぇー。さすが三杉くん、詳しいんだね。」
「ゴシップなら任せてくれたまえ。お相手は2才年上の美人グラビアモデルだ。」
「へぇー。」
「しかも、反町くんはすぐに子供を認知したそうだよ。あれだけ節操なく遊んでいた割には、意外と潔いと思わないかい?」
「…余計なお世話だ。あー、三杉か、俺の噂を勝手に振り撒いてんのは。…俺、お前に司会かスピーチを頼みたかったけどやっぱやめようかな。なんか余計な事まで色々知ってそうで怖い。」
「おや、スピーチは僕の得意分野だ。いつでも引き受けるよ。何なら事細かに今までの女性遍歴を語ってあげよう。」
「やめろ。お前が言うと洒落にならないだろ。」
「安心したまえ。僕は事実しか言わない。」
「いやもうそれは頼むから、マジで勘弁してください。それにこれ以上、余計な噂を広めないでくれよ。頼む。」
「…仕方ない。では最後に僕から一言だけ言わせてくれ。」
「何だよ。」
「類は友を呼ぶって知ってるかい?…生まれた子供がお前の子である事を祈ってる。」
「俺の子供だ!!…やめろ!お前が言うと不安になる。」
「…ああ、そうそう岬くん。君の恋人の若林くんは、毎回きちんと避妊してくれてるのかい?」
「え、…避妊?…しなくちゃ駄目なの?」
「…子宮外妊娠って聞いたことないかい?」
「………ある。……大変。どうしよう。…ねえねえ反町、避妊って何するの?」
「………は?」
「ハッハッハ。岬くん、反町くんに聞いても無駄だよ。だいたい避妊を知ってたら、デキ婚なんてするわけないじゃないか?」
「………」



「・・・っていう夢を見たぞ、反町。」
「…若林、…お前やっぱり俺に恨みあるだろ…?」



END
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