ツバサのセカイお礼小説
□蒼き罪、モトめるココロ
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広い屋敷に招かれた客とは、彼等を呼び寄せたアシュラと同じく魔術の掟を知る者達。
眼鏡を掛けた背の高い黒髪の男と。
その後ろに付いて離れない銀の髪の青年。
クロウ・リードとユエである。
アシュラは二人をある部屋に通し、そこで話を始める事に。
それは世間一般の目では信じられないとされる魔術諸々。
高等魔術の極秘については極めた者の義務、特権で。
しかし、銀の髪の青年は、まだその域に達していない。
となれば。
「ユエ、少し外してくれるか?」
おっとりとした口調で払うクロウ。
常に離れないユエの頭に手を置いて。
その銀髪の前髪を優しく梳けば、紫がかった銀の瞳が細まった。冷ややかに。
それを見受けて悟ったクロウはまるで子供を扱うよう。
「話は、直ぐに終わるからね」
そしてじっと見つめてくる銀の瞳の下の頬に手を添えた。
すると間を開けて静かに開かれる口からは、淡々と。
「…わかった。外で待つ」
ユエは直ぐ部屋を出た。
その様子は、自身の感情を押し殺して取る行動のように、殺伐としたものだった。
「…………」
部屋を出て、真っ直ぐ見上げれば目に入るある部屋の扉。
そこに、魔力ある者の気配がする。
その扉の向こうをじっと睨み、目を放さなかった。